バンクーバーのぶつくさ男 The Mumbling Man in Vancouver |
英語で大失敗その他 |
★英語表現のコツ |
1984年にカナダに住み始めてから、英語では何度も失敗をした・・・(^_^;。そこで、そうした英語での失敗談や発音上気づいたことなどをメモしてみた。 |
ネイティブも間違う ”look forward to ...”来週からオンタリオ州に旅行するが、滞在予定のモテルに到着時刻変更の連絡をしたら、次のような返信メールが来た。
Thank you. We are looking forward to see you ...
「ありがとうございます。・・・お会いできることを楽しみにしています」
look forward to ... 「~を楽しみに待つ」はメールや手紙の末尾によく使われる便利な表現だ。しかし、ここに書かれた looking forward to see you は間違い英語で、looking forward to seeing you … が正しい。look forward to の後には、to do の形ではなく、名詞形が来る。この表現については、ネイティブの人たちでもよく間違うようで、以前、不動産屋の白人女性が同じ間違いをしていた。
まあ、to see でも十分通じるし、そのうちに to see が正しいってことになるかもしれない・・・(^^;)。それにしても、ネイティブの人たちもけっこう間違い英語を使うってことは、頭に置く必要があるかもね。ちなみに、ジーニアス英和辞典には 次のように書かれている。
look fórward to O
[しばしばbe ~ing]〈事〉を楽しみに待つ,期待[予期,覚悟]する(anticipate)∥ I'm ~ing forward to seeing [see では間違い] you. 君に会うのを楽しみにしている《◆toは前置詞のためその後は名詞・動名詞》
意味が違ってた「バルコニー」と「ベランダ」私が住むコンドミニアムのロビーで、時々、お茶飲みパーティが開かれる。私も先日参加したら、17階のバルコニーにフクロウがやってきたという話が出た。その時、居合わせた人たちが一様に、veranda ではなく balcony と言っていたのがちょっと気になった。そこで調べてみたら、なんと意味が違うではないか。ネット辞書「英辞郎」では次のように説明されていて、写真検索でもはっきりその違いが出ている。
Balcony = マンションなどの建物の壁から突き出た壁や欄干に覆われている部分。(写真検索)
Veranda = 日本のベランダとは違い、1階部分の屋根が張り出した縁側の空間をいう。(写真検索)
ということは、私のコンドミニアムスイート(7階)のは balcony バルコニーであって、veranda ベランダではないということだ。あなたも、もし二階以上に住んでいるなら、窓の外は balcony ですぞ、balcony ・・・(^_^;)。そういえば、南リッチモンドに住むウーさん宅のは veranda だなあ。
受動態になることがある自動詞allude (to) 「~をほのめかす」という単語に出くわした。辞書で調べてみると、自動詞なのに「受身可能」と注釈がついている。むかし「受動態は目的語を主語にして書く」と教わったから、目的語を持たない自動詞は受動態になりえないと思っていた。ところが、辞書には次のような例文も載っていた。
The politician was alluded to many times in the testimony.
その政治家は、証言の中で何度も暗に触れられていた.
さらに調べてみると、受動態にできる自動詞は句動詞の形に使われる場合ということが分かった。句動詞とは、「動詞+副詞」または「動詞+(副詞)+前置詞」によって構成され、特別な意味を生じ、まとまって1つの動詞のように機能する定型のフレーズ、のことだ。例えば、 "get up", "take off", "look forward to", "carry out" などがそうだ。
○:I was looked after by her. (She looked after me. 彼女は私を世話した)
○:I was spoken to in English by him. (He spoke to me in English. 彼は英語で私に話した)
考えてみると、自分でもこんな表現は使った覚えがある。自動詞と意識せずに使ってたわけだ・・・(^_^;)。
"provide"に SVOO がある?ファミリードクターからの書類に次のような表現があった。
This provides you the information you want ...
(この書類には、あなたが欲している情報が入っています)
ふつう、provide は次の2つの形で使われる・・・両方とも、「人に何かを提供する」と言う意味。
provide a person with something
provide something for a person
私は、provide には SVOO (主語+動詞+間接目的語+直接目的語)の形はないと思っていた。しかし、辞書で provide を調べたら、次のようにアメリカ英語について注記がしてあった。
Cows provide us with milk [milk for us].
(雌牛はミルクを供給する)
《((米))では provide us milk [milk to us]ともいう》
つまり、北米ではSVOO も「あり」なのだ・・・(・_・;!
「信じて、でも信じないで」・・・(^_^;)? (2009.12.15)沖縄の基地の問題で日米が揺れている。それについて、TBSテレビのニュースキャスターが、アメリカ政界で流行っている英語表現を紹介していた。「鳩山首相は、オバマ大統領と会談したときに"Trust me."と言ったが、実は、そのあとに but don't believe me" と続けたかったのではないか・・・」というのだ。
Trust me, but don't believe me.
trust も believe も訳すと「信じる」だが、なんとなくニュアンスの違いを感じる。しかし、どんな違いなのかはっきり言えない。そんな中、ある書き込みに「trust は believe in ... に近い」とあった。あ、そうか、だったら believe ... と belive in ... の違いを見つければいい。そこでネット辞書バビロンで調べてみた。
believe ... = 〈人が〉〈人・言葉など〉を信じている,信用している、
believe in ... = 〈人・人柄・能力〉を(一時的ではなく)信用する
trust ... = 〈人が〉〈人・話など〉を信用する,信頼する;〈記憶・直観など〉を当て[頼り]にする
どうやら believe in ... と trust ... は「恒久的な信用・信頼」、believe は「一時的な信用」ということのようだ。だとすると、鳩山首相は「(長期的には)私を信頼してください。でも、(短期的には)信用しないでください・・・」と言いたかった、ということになる・・・(^_^;)?。
テレビドラマを見ていたら、こんな表現が出てきた。
"Have a nice life."
これを聞いて、カナダに来て間もないころ、私がこの表現を使ったことがあるを思い出した。ノバスコシア Nova Scotia 州へ引っ越すカナダ人に、遠いところに行ってしまう人だから、こんな表現もあるかと思ったのだ。
ところが、その友人は苦笑いした。ちょっと複雑な反応だったから、そのことがずうっと気になっていた。そこで調べてみたら、この表現には次のような意味もあることが分かった。
Have a nice life.
「(会いたくない人に対して)良い人生を」
「二度と会えない人」に対しても使える表現なので、必ずしも失礼ではないようだが、あの時は「会いたくない人・・・」と聞こえたのかもしれない・・・。
"Oh, my friend in Nova Scotia, I didn't mean that."
"etc." と言う単語(略語)がある。これをほとんどのカナダ人は「エクセトラ」と発音する。日本人は「エトセトラ」と発音するから、この「エクセトラ」はかなり耳障りだ。as follows の構文
辞書で調べてみたら「エトセトラ」が基本だが、非標準的発音として「エクセトラ」もあった。もともとは"et cetera"というラテン語で、「ク」の音などどこにもないのだが・・・(^_^;。英語も時に理屈に合わないことがある。
ネットで遊んでいたら、こんなページに突き当たった。「as follows: (以下のとおりです)は文法とは全く関係のない慣用語・・・」などと書いてある。
これを"慣用語"と片付けてしまうのは少し乱暴だ。この場合の as は(疑似)関係代名詞で、follow(s) は動詞だ・・・だから s がついている。
(例文)
The details are as follows:
「詳細は以下の通りです」 自由党党首が英語で失態 (2008.10.09)連邦議会選挙が5日後に迫って、各党とも選挙運動にやっきだ。そんななか、Liberal Party (自由党)の党首ステファン・ディオン Stephane Dion が英語力で失態を演じた。ケベック州選出のディオンにとっては、フランス語が第一言語で、英語力には以前から疑問符がついていた。記者会見で、ある記者が次のように質問した。
If you were prime minister now, what would you have done about the economy?
「いま、仮にあなたが首相だったら、経済についてなにをしましたか?」
しかし、ディオン氏は were ..., would have done ... 「(過去に、もし…であれば)・・・だった(した)であろうに」の仮定法(過去)表現が分からなかったらしい。しばらくチンプンカンプンな受け答えをしてから、記者が分かりやすく言い直してやっと答えることができた。
実際、英語のネイティブでない人にとって仮定法は難しい。それにしても、カナダの一大政党の党首がこれくらい分からないのでは・・・と国民は思うだろうから、自由党はかなり苦境に立たされることになるだろう。
* ところで、上記の minister は可算名詞だから、ふつう無冠詞単数形では使われなず、 a/the ... minister と冠詞が必要だ。変だと思って調べてみたら、president や prime minister など「単独の人が占める役職や地位を表す名詞が補語となるときは冠詞がつかない」のだそうだ。知らなかった・・・(-_-;)。まだカナダに来たてのころ、カナダ人の男友達に「君は趣味がいいねえ」のつもりで、
You have a good taste.
と言った。そしたら、彼は真っ赤になって
Tha... tha.. thank you.
と、どもりながら言った。
この話をカナダ人の友達にしたら、大笑いしながら説明してくれた。「君が言ったのは"あなたは良い味がする(おいしそうだ)"が転じて"私はあなたに気がある"の意味になる」と言うのだ。
私は恥ずかしくて顔から火が出る思いだった。結局、次のように a 抜きで言うべきだったようだ。You have good taste.
have good taste で「センスがある、趣味が良い」だ。つまり、この場合の taste は不加算名詞扱いで a はつかない。一方、加算名詞の taste には「味、風味」などの意味があるから、have a good taste とすると、「良い味がする」つまり「おいしい」に近い表現になるというわけだ。
冠詞は魔物…(・_・;。
英語の表現には「ピッタリ表現」と呼びたい言葉がある。その一つは reading glasses だ。訳すと、さしずめ「読書メガネ」または「読書鏡」だろうか。日本語では「老眼鏡」と言うが、ずいぶん響きが違う。
今日から「読書鏡」*と呼んでみよう。若返った気がするに違いない…(*^_^*)。
* しかし、辞書で調べたら「老眼」は英語で aged eyes や old sight と言うらしい。やっぱり「老眼鏡か」・・・(^_^;)?。
ホウノキ"... years is ..." だって? (2011.06.26) テレビを見ていたら、アナウンサーが"Ten years is a long time..." と言った。オヨヨ!ten years と複数形なのに is だって?ありゃあ、ひょっとすると、a long time がひとまとまりの長さなので単数扱いなのか? そこで辞書(電子辞書Babylon)を引いてみた。そうしたら、案の定、次のような説明があった。
Five years is [X are] too long to wait.
5年は待つには長すぎる
《◆この例ではfive yearsをまとまった1単位と考えて単数扱い》
英語は日本語に比べて論理的だが、例外もけっこうあるものだといまさら思った。
「デノミ」は「リデノミ・・・」 (2010.11.15)日本語で「デノミ」と言う言葉がある。英語の denomination から来た言葉だと思っていたら、そうではないらしい。
貨幣単位の呼称変更を意味する「デノミ」は、英語では redenomination なのだそうだ(下記参照)。denomination には、「(貨幣)単位、額面金額」などの意味しかないらしい。和製英語に気をつけねば・・・!。
denomination 【名】
1 ((正式))【C】 名称,呼称(name);【U】 命名.
2 【C】 宗派,教派《◆しばしばsectより大きい》.
3 【C】 種類,種目.
4 【C】【U】 (貨幣・度量衡などの)単位(名);(貨幣・証券などの)額面金額;〔数〕分母∥ money of small ~s 小額貨幣/ What ~s (do you want)? 金種は何にしますか《◆銀行員が客に希望の金種を聞く表現》
redenomination 【名】
《経済》デノミ(ネーション)◆通貨の呼称単位の切り下げまたは切り上げ
ユキノシタネイティブも間違う?
"What's that mean?"頻繁に使われているのに、私には理解できないおかしな英語表現があったが、やっとその構文が分かった。次の表現だ。
What's that mean?
(mean は「意味する」と言う意味の動詞)
これは What is that mean? と聞こえて、「is + mean」が文法的に間違いなのは明らかだ。ところが、調べてみたら、's は is ではなく、does の省略形らしい*。
What does that mean?
「それはどんな意味ですか」
これなら文法的にも問題ない。
ところが、多くのネイティブが 明らかに What is that mean? と発音している。彼らは 's を is と勘違いして、文法的に間違ったまま使っているのだろうか。しかも、"What is that mean?" を Google 検索すると**、英語圏サイトを中心に3億件もでてきて、その多くが文法的な間違いに気がつかずにいるのだから驚いてしまう。
ネイティブの英語も鵜呑みにはできない・・・(^_^;。
* What's that mean? は非公式な表現で、本当は What does that mean? ときちんと発音すべきらしい。
** こうした検索は必ず、半角引用符で挟んで絞り込み検索をすることだ。詳しくはこちらの⑥を参照。
歌のタイトルには、構文的に分かりにくいものがけっこうある。
"You'd be So Nice to Come Home to"というジャズの名曲がある。最初につけられた邦題が「帰ってくれたら嬉しいわ」だそうだが、これは"世紀の大間違い"だったらしい。最後に、to がついているから、むしろ「私の帰る場所が貴方(のところ)だったらどんなにか良いことでしょう」というような意味らしい。解説なしでは「なんじゃこりゃ」と悩んでしまいそうだ・・・(・_・;。
もう一つ難しいのに"Cry Me a River" というのがある。cry a river には「川ができるほど泣く」という意味があるらしいのだが、me が入ったらいったいどうなるのか。
「私のために川ができるほど泣け」などと"想像訳"する人もいる。また、Cry me a river, build a bridge and get the fuck over it! という決まり文句から取ってきたらしいという話もあるが、これ自体意味不明だ。ともかく、はっきりしたところは分からない。そもそも、cry には SVOO の形はないのだし・・・(・_・;。 カナダ人は良くこんな言い回しをする。
The bad thing is ...., but the good thing is ....
悪いことには・・・、良いことには・・・。
たとえば、前の車がのろのろ運転で、こちらがそのあおりを食っているときなどだ・・・。
The bad thing is it is slow, but the good thing is it is safer.
「悪いことには遅いよね。でも、良いことには安全だよね」
面白いもので、のろのろ運転でイライラしているときでも、これを口ずさんで"冷静な分析"をすると気持ちが落ち着いて、無理な追越などしなくなる。
物事には良い面と悪い面があるのだから、悪いことばかりに気を取られないで、気持ちを落ち着けて別の面からも見るようにしなさいと言うことだろう・・・(*^_^*)。 仮定法は私たち日本人には苦手な用法の一つ。頻繁に使われるのに、学校英語ではおそらく習ったことのない仮定法表現にこんなのがある。You couldn't be more beautiful.「あなたは美しくなろうとしてもそれ以上なれない」から転じて、「あなたは最高に美しい」と言う意味だ。
これは、couldn't と比較級を使うのがコツ。もう一つ例を挙げると、I couldn't be happier.
「私は最高に幸せだ」
(「私は幸せになろうとしてもこれ以上なれない」から転じた)最初の例文を、間違えて現在形の can't にしたら、次のような意味になりかねない。You can't be more beautiful.
「あなたは美しいと言ってもその程度だよ」彼女にぶん殴られること間違いない・・・(^_^;)?。
これは私の英語力のなさが露呈した失敗。カナダに来て間もないころカナダ人に、
There are quite a few people in the room.
と言った。私としては「部屋にはわずかの人しかいない」と言いたかったのだ。ところが、4~5人しかいない部屋の中を見たそのカナダ人は怪訝な顔をしている。私の頭に「およよ?」と?マークがついた・・・(・_・;。後で調べてみたら、quite a few は「かなりの数の、かなりたくさんの」などの意味だったのだ。few が「少ししかない」で、a few が「少しある」の意味であることは知っていた。でも、a few を強調した quite a few がそんな意味になるとは夢にも思わなかった。お粗末・・・(・_・;。むかし民家のベースメント(*)を間借りしていたことがあった。家主は70才くらいのおばあちゃんだ。彼女の英語はたどたどしくて、どうも他言語のなまりがある。でも、ケベック州のフランス語なまりではない。
そこで聞いてみた。「カナダへいつ移民したのですか」。そしたら、「いえ、カナダで生まれました」という返事だ。ますます、分からなくなった…(^_^;)?。
よくよく聞いてみるとこういうことだった。彼女が生まれたのはカナダの穀倉地帯の農村だった。隣村まで車で半日もかかるようなその村では、ウクライナ語が"公用語"だったので、彼女は二十歳くらいまで英語を話したことがなかったのだ。アルバータ、サスカチュワン、マニトバの3州は「穀倉三州」と呼ばれ、地平線まで麦畑が続いたりする穀倉地帯だ。そんな農村地帯の集落はあまりにも隔絶されていて、今でもそんな村が実際にあるという。
(*) ベースメント(Basement)とは、地下室のこと。バンクーバーでも、ほとんどの一戸建て住宅に地下室がある。と言っても、半地下なので窓がついていて、普通の部屋と変わらない。それどころか、夏涼しくて冬暖かいので、"地上"の部屋よりも快適なくらいだ。
追加収入が欲しい家庭はよくベースメントを賃貸する。日本から来るホームステイの学生もよくベースメントに泊められる。子供から「地下室に住んでる」と聞くと、日本の親御さんが驚いて飛んでくる。「うちの大事な娘を地下室なんかに閉じ込めて…!!!」というわけだ。ところが、来てみると日本の地下室のイメージとはぜんぜん違うので、安心して帰られる…(*^_^*)。 ダイアナ・クロール Diana Krall は、グラミー賞を獲得するなどして、いまや女性ジャズシンガーの第一人者。彼女はバンクーバー島ナナイモ市 Nanaimo の出身だ。
ところが、日本では彼女の名前を「・・・クラール」と発音する。all 「オール」、call 「コール」、 ball 「ボール」などの発音をみれば、「クロール」が正しいのは明白なのだが・・・。
一生付きまとう人名なのだから、音楽界の人たちももう少し英語に強くなって欲しい気がする・・・(・_・;。
カナダに来て間もないころのことだ。私はシアーズ・デパートのレストランで、カナダ人の男友達二人と昼食をとっていた。そのレストランはシニアの人たちに割引があるので、周りでは高齢の人たちがたくさん食事をしていた。
友人達がなにやらヒソヒソ話をしている。その中に 「XXXXジョブ」という言葉が聞こえてくる。聞いたことのない言葉だったが、「ジョブ」と言うからには何か仕事のことだろう。持ち前の大声で"叫んだ"。
What kind of job is the "bxxx job"?
「その Bxxx JOB って、どんな仕事?」
周り中のテーブルにいたおじいちゃんおばあちゃんたちが、いっせいに私の方を向いた。みんな、あきれたような驚いたような顔をしている。
友達二人は真っ赤になって黙り込んでしまった。私はなにが起こったのかさっぱり分からない。ともかく大失態をしたようだ。
カナダ人の友達にこの話をしたら、大笑いしながら説明してくれた。それはとても卑猥な言葉だったのだ。ちょっと恥ずかしくてここでは書けない。どうしても知りたい方はメールをください。あるいは、クリントン大統領とモニカ・ルインスキーといえば想像がつくかも…(^_^;。
クロモミジ これは私の失敗ではないが、英語に関係があるので書いておこう。
ずいぶん前だが、ガイドの仕事で市内観光のバンの運転だけ頼まれた。4~5人のお客さんと日本人女性のガイドさんが乗ってきた。
バンがスタンレー公園のプロスペクトポイントを過ぎて、坂道を下り始めた。ガイドさんが左側に立っている古い大きな木を指して、「これはホローツリーといいます。日本語で言ったら"恐怖の木"ですね」と解説するではないか。私の頭に?マークがついた。
この木は英語で書けば、Hollow Tree という。hollow は「(物の中が)空の」という意味だ。だから、むしろ「がらんどうの木」というべきなのだ。ところが、そのガイドさんは hollow と horror 「恐怖」を混同してしまったのだ。この木の意味は Hollow Tree をみればよく分かる。
バンクーバー島 Vancouver Island 南端のビクトリア郊外に Butchart Gardens というきれいな花園がある。むかし露天掘りの石灰岩鉱山だったのを、鉱山の所有者 Butchart 夫妻が花の楽園にしたところだ。
この Butchart Gardens のことを日本人のガイドさんたちは例外なく「ブッチャートガーデン」と呼ぶ。本当は「・・・ガーデンズ」だ。バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学北側の海岸、Spanish Banks 「スパニッシュバンクス」についても同じ間違いをよく聞く(*)。
(*)こう書いてから、しばらくして Spanish Bank と s なしで書かれた英語のウェブサイトや地図があることを発見した。Google 検索では s つきが圧倒的に多いのだが。どうもよくわからなくなってきた・・・。「サンクンガーデン」
Butchart Gardens やクイーンエリザベス公園 Queen Elizabeth Park (バンクーバー)にある Sunken Garden(沈下式庭園)のことを、日本人のガイドさんはたいがい「サンケンガーデン」と発音する。
本当は「サンクン・・・」だ(*)。たとえば、taken (テイクン)や broken (ブロークン)を、テイケン、ブローケンと発音しないのと同じだ。「ブロークンイングリッシュ」 broken English という例もある。
(*) 「沈む」を意味する動詞 sink は、sink, sank (または sunk), sunk (または sunken)と変化する。sunken は、過去分詞から派生した形容詞。
「ファリークリーク」
バンクーバーからウィスラーに行く途中に Furry Creek というゴルフ場がある。これのことを日本人はよく「フュリークリーク」と発音する。これはむしろ、「ファリー・・・」 だ。furry は fur ファー「毛皮」の派生語で「毛皮の」という意味の形容詞。「フュリー」に近いのは fury 「激しい怒り」。
先日、20年くらい前にニュージーランドから移住してきたと言うカナダ人が pearl(真珠)と言う単語を使った。それが、ぜんぜん聞き取れない。日本語式の「パール」とはまったく違うのだ。なんど聞いても分からないので、最後にはスペルを言ってもらってやっと分かった。
後で家に帰って、ネット辞書で pearl を引いて発音ボタンを押してみた。どうやら、pear 「ペアー」(梨)に l (エル)をつけたような発音だ。学校で習ったときには、先生はこんなややこしい発音をしていなかったぞ・・・(^_^;。
最近、気になるのが当地のケーブルテレビ会社 Shaw Cable の発音だ。多くの日本人がこれを「シャウ・・・」と発音する。
イギリスの有名な劇作家バーナード・ショー Barnard Shaw の名前を見れば「ショー」が正しいことが分かる。実際、発音記号もそうなっている。
それに、saw (見た)や law (法律)なども「アウ」ではなく「オー」だ。 the の有無で意味がまったく逆に・・・(・_・; (2010.08.15)ある英文を読んでいたら、どうも意味が取れない。Tom is in charge of Mary. 「Tom は Mary を担当している」という形なのだが、状況から判断すると「Mary は Tom を担当している」でなければならないのだ。そこで辞書を引いてみた。すると、電子辞書 Babylon(ジーニアス英和)の、charge(名詞)の項に次のような説明があった。
◇[語法]
be in charge of himは「彼を世話している」という意味で of は目的格関係を表す.
be in the charge of himは「彼が世話をしている,彼に世話されている」(=be in his ~)という意味で of は主格関係を表す.
つまり、the の有無で意味がまったく逆になるのだ。おそらく、上の文章も Tom is in the charge of Mary. という意味で書かれたのだろう・・・ネイティブの人達もこのあたりかなりいい加減だから・・・(^_^;。
「レッツ・オリンピック」だって・・・(・_・;?2016年の東京オリンピックを目指していた頃の話だ。オリンピック東京招致に向けていろいろニュースが伝わっていた。そんな中、「レッツ・オリンピック」(Let's Olympic)という表現がマスコミなどで飛び交っていた。
和製英語はいろいろあるが、これはちょっとひどすぎる"英語"だった。Let's (= Let us) のあとに名詞 Olympic が来ており、文法的に無理がある。よく使われる「レッツゴー Let's go.」(行きましょう)のように、Let us の後には動詞(または補語)が来るのが正しい。
Let's ... (~しよう)はよく聞く表現なので使いたい気持ちは分かるが、たとえ和製英語としても、あまりめちゃくちゃに使うのはどんなものかと思ってしまう・・・(>_<)。 「バード?」いや「バード」・・・(^_^; (2012.03.27)
日課のジョギング&散歩から帰ってきて、エレベータに乗った。”Close Door” のボタンを押そうとしたら、玄関から白人男性がなにやら大きなカートを転がして、急いでやって来るのが見えた。私は”Open Door”を押して待ってやった。
男性は乗ってくると、”Thank you.”と言い、カメラと一脚を持っている私を見ると、”Were you taking photos?”(写真撮ってきたのですか?)と言った。私は、”Yes. I was bird-watching in the park.”(はい、そこの公園でバードウォッチングをして来ました)と言った。
ところが、私の「バード」が bird に聞こえないらしい。彼が首を傾げながら「バード?」というから、私が「バード」と繰り返すが通じない。しかたがないから、両手をバタバタさせて鳥が羽ばたく格好をしてみるが、それでも通じない・・・(・_・;。何度か「バードウォッチング」を繰り返してやっと分かってもらえた。”Oh, bird-watching!”・・・(+_+)(>_<)(-。-;)。
これまで、bird-watching の発音でこんなに苦労したことはなかったが、どうやら、私の bird の発音は間違っていたようだ。確かに、彼が最後に言った bird-watching の bird は少し違っていた。いつまでたっても英語は難しい・・・(^_^;。
“s”を読もうよ (2014.10.18)
私は月刊誌「ふれいざー」を愛読しているが、10月号でちょっと気になることがあった。16ページの「オタスケウーマン」に書いてある「ピットメドウ市」だ。英語だと Pitt Meadows だから、「ピットメドウズ市」が正しい。
私たち日本人はどうも”s”に弱い。英語の地名に出てくる”s”を発音しないことが多いのだ。ビクトリア郊外の Butchart Gardens を「ブッチャートガーデン」と言ったり、UBCの北側にある海岸 Spanish Banksを「スパニッシュバンク」と言ったりしてしまう。これらの“小さな地名”は s なしでも「仕方ないね」くらいですむが、Pitt Meadows のような都市名の場合は「しっかりしてよ」と言いたくなる。
not to do はたまた to not doカナダ人はよく to not do という言い方をする。私は not to do が正しいと教わった記憶があるので、いつも「変な英語だな」と思っていた。ところが、to not do でも間違いとはいえなくなっているようだ。そのほうが意味が通じやすいことがあるからだ。たとえば、次のように言う場合を考えてみよう。
「私は、野球をするなと言ったのだ」
(従来の表現) What I said is not to play baseball.
これでは、「私が言ったのは、野球をすると言うことではない」とも聞こえる。not が play ではなく、is にかかるようにも聞こえるためだ。
(to not do での表現) What I said is to not play baseball.
こちらは誤解の余地なく「私は、野球をするなと言ったのだ」と聞こえる。
さらには、次のような例もある。
He failed to entirely understand it. 「彼はそれを完全には理解できなかった」
entirely が understand にかかり意味が明確だ。
これを次のようにするとあいまいになる。
He failed entirely to understand it.
He failed to understand it entirely.
どちらも entirely が述語動詞の failed にかかって、「(それを理解すること)が全くできなかった」という意味にもとれてしまう。
文法書にも次のような説明があった。
「to と do の間に副詞が入る形を分離不定詞という。分離不定詞は文法上なるべく避けたほうがよいとされてきたが、実際には意味を明確にしたり、文の自然のリズムを保つためによく見られる形であり、最近は容認されてきている。」
「ご結婚おめでとう」は英語で?
日本に帰国して親戚の結婚式に参列した。久しぶりの結婚式だった。参列しながら、昔、カナダ人から「英語では『ご結婚おめでとう』 に congratulatons は使わない」と聞いたのを思い出した。「Congratulations は努力して成功した人に贈る言葉なので、通常、結婚式の場ではいわない。Congratulations を使うと、よっぽどの玉の輿にいやみを込めて言うような表現になる」というのだ・・・(^_^;。
それでは、結婚の祝福のことはにはなんと言うのか、ネットで調べたら次のような表現が挙げられていた。
I wish you every happiness.
I hope you will be very happy.
Wish you great happiness.
Best wishes!
ただし、最近の若者の間では、Congratulations を使っても失礼には当たらなくなってきているとも言われる。ということなので、"Congratulations!" が失礼になる可能性があることを知っておくくらいでいいかもしれない。ちなみに、電子辞書 Babylon では「おめでとう」を次のように説明している。
おめでとう
*congratulation
[C~s] (成功・幸福などを祝って)〔…〕おめでとう〔on〕∥ Congratulations (on your graduation)! (卒業)おめでとう《◆努力して成功した人に贈る言葉. 結婚式の場合, 花婿にはこれを普通に用い, 花嫁には通例 I wish you great [every] happiness. / Best wishes! などと言うとされているが, 最近では Congratulations! も用いられる》
“Gunma Prefecture ...” ハア? (2012.07.19)
年に一度の健康診断を受けにファミリードクターのクリニックを訪れた。しばらく待たされてから私の順番が来て、診断が始まった。今回は私がシニアになったためか、家族や生地などについて細々と聞かれた。生地について聞かれた時に、”Gunma Prefecture, Japan” (群馬県、日本)というと、ドクターは”prefecture …?”と首を傾げた。私が「カナダの州のようなものです」というと、ドクターはコンピュータに入力し始めた。ところが、prefex ...と綴ってしまうではないか。私がスペルを一字ずつ言うと、やっとそのとおりに書いた。
意外にも、ドクターは「県」を意味する prefecture という単語を知らなかったのだ。そういえば、この単語は、私がカナダに来てから、おそらく一度も新聞やテレビなどで見聞きしたことがない。よほど北米の人たちにはなじみのない単語なのだろう。
考えてみれば、アメリカもカナダも state と provice(州)、county (郡)、district (地区)、city (市)は使われているが、prefecture なんて使われていない。イギリスでも、スコットランドやウェールズはも、country、county、distict だ。だから、ドクターが prefecture を知らなくたって不思議ではないかもしれない。なお、「州」はアメリカでは state だが、カナダでは province だ。
ちなみに、prefecture は辞書には次のように出ていた。
1 (日本、フランス、ローマ帝国などの)県,府(cf.⇒county ,⇒state ,⇒province )《◆(東京)都,(北海)道に当ることもある》∥ Hyogo [Kyoto] P~ 兵庫県[京都府]《◆時に(the) Hyogo ~の形も用いる》.
2 (フランス・イタリアの)知事公邸.
3 prefectの職[地位,管轄区].
“Gentrification”... はあ? (2013.03.09)
CBCテレビの動画ニュースを見ていたら、 gentrification なる単語が出てきた。「なんじゃこれは?」と思って調べてみたら、次のような意味だった。
gentrification ジェントリフィケーション【名】 高級化、中産階級化◆劣悪化している区域に中流階級あるいは裕福な階級の人口が流入していくのを伴った区域再開発・再建プロジェクトのことで、通常それまでの貧困層の住民が住む場所を失う
なんと、「ジェントリフィケーション」は日本語にもなっていて、日本語版ウィキペディアにすら載っている・・・知らなかったのは私だけ(・_・;?。ともかく、こんな便利な単語があるとは知らなかった。というのは、バンクーバーでは、まさにこの問題が発生しているからだ。
バンクーバーのダウンタウン東部は、1984年に私がバンクーバーに来た頃はまだ良かった。日系のレストランや食材屋もあって、私もよく訪れた。しかし、その後、どんどん環境が悪化し、日系のお店が並んでいた地域には今やアル中の人や麻薬中毒者がたむろしていて、あまり行きたくない地域になってしまった。
そうした中、最近、西の方から再開発が進んできた。たとえば、Stadium-Chinatown Station の東側地域は、新しいコンドミニアムが林立し商店街もできて賑やかだ。これから次第に東に向かって再開発が進むのだろう。しかし、そこで発生するのが gentrification* だ。再開発で貧困層の人たちが少しずつ東へ東へと追いやられ、生活の場を失っていく。
いくら街が新しくなっても貧しい人たちの生活が変わらないことには、根本的な解決にはならないということだ。
「二回前の11月」 (2013.08.06)
最近、こんな表現が見つかった。
“Delta resident Myron Kinach was dinged two Novembers ago at the corner of ....”
(二回前の11月、デルタ住人のマイロン・キナックは・・・の交差点で警官に捕まった)
ここにある、two Novembers ago 「二回前の11月」が興味を引いた。two years ago、tow days ago などとはよく使うが、「個々の月」でこのように言うのは初めて見た。たしかに、"two Novembers ago"をグーグル検索したらけっこう出てきた。辞書には「November (個々の月名)は不可算名詞」とあるから、複数形にはできないと言いたくなるが、文法なんて後から“こじつけた”ものだから、こうした表現もありってことかもしれない・・・(^_^;?。
本当に「文法なんかいらない」のか・・・(・_・; (2010.08.15)よく「文法なんかいらない」とか、「日本の英語教育は文法に偏りすぎている」とか言われる。私はそうした言い方には一概に賛成できない。水と油ほど違う日本語と英語なのだから、英語の構文を理解するには文法を修得することが一番の近道だ。特に、複雑な英文を読み書きするには、英文法の修得は不可欠だ。
一方、「英会話には(ある程度)文法はいらない」とは言える。なぜなら、英会話では意思が通じればよいのであって、多少、文法が間違っていても通じるからだ。それどころか、文法の細かなところまで考えていたら、会話にならない。
ともかく、子どもたちに「英語に文法はいらないんだって」と誤解させないように、あまり偏った言い方は避けたいものだ。
語学留学を希望する人たちへバンクーバーには、日本から若者たちがたくさん語学留学にやってくる。私も旅行ガイドをしていた頃、語学留学にやってきた若者たちをお世話したことがある。
ところで、語学留学を計画している若者たちに進言したいことがある。カナダにきたらいっさい日本語を話さないことだ。日本語を話せば話すほど英会話力にブレーキがかかってしまう。せっかくカナダに来たのだから、日本語を話さず英語だけで生活する・・・それこそが英会話力向上の最短近道だ。カナダに住んで、英会話学校では英語を勉強しても、普段の生活で日本語を話していたら何の役にも立たない。
たとえば、語学学校には他にも日本人学生がいるだろうが、その人たちとも"絶対に"日本語では話さないことだ。日本人同士で英語を話すのは、最初は照れくさい。でも、"最初の壁"を乗り越えて少し慣れると平気になってくる。それどころか、相手が日本人だと言うことも忘れてしまう。そこまでいったら、もう大丈夫。
また、カナダ人の家庭にホームステイして、"生の英語"を体験するのはとてもよいことだ。カナダ人の生活ぶりを知ることにもなるし。なかには、ホームステイをやめてアパートを借りたりする日本人も多い。その場合、日本人以外とアパートをシェアするのならまだいいが、日本人同士で一緒に住んだら最悪だ。英語を使うのは学校だけで、それ以外は全部日本語なんてことになってしまう。こんな生活をしていて、英語をうまくなろうと思ったら大間違い。
ともかく、日本に帰ってから「日本で英会話学校にいったほうがましだった」と後悔しないようにしてほしいと思う。
「マクドナルド」 発音のことをこまごま指摘すると、「そんな小さなこと、どうでもいいでしょう」と言われそうだが、カナダに住んでいるのだったら、少しは英語に近い発音をしたいと思う。
といいながら、私はいまだに McDonalds 「マクドナルド」をカナダ人に通じるように発音できない・・・(・_・;。日本式の「マクドナルド」では絶対に通じない。「マクダナルズ」が最も近い発音だ。「ド」よりも「ダ」に近く、その音が一番強くて「ク」はほとんど発音しない。最後は「ド」ではなく、s が入っているから「ズ」だ。分かっちゃあいるのだが・・・(^_^;。
ちなみに、「マクドナルド」は、日本マクドナルドの創業者だった藤田田(ふじた・でん)さんが、アメリカ本社と相談として決めた。そのとき、アメリカ流の発音を主張したアメリカ本社に反対して、田さんが"日本流の発音"にしたのは有名な話。だから、私のように正しく発音できない人は、田さんを恨めばよいかも・・・(^_^;)?。
写真は、2007年春に群馬の田舎で撮ったもの