バンクーバーのぶつくさ男 The Mumbling Man in Vancouver |
国旗と国章 国歌 面積 人口 州と準州 人種 時間帯 首都 主要都市 最高峰 最長河川 湖の数 歴史 雑学 | ||
項目 | 内容 | 解説 |
国旗と国章 | 国旗 国章 |
カナダの国旗 カエデを中央に配した赤白赤の旗。カエデはサトウカエデ(シュガーメープル、シロップがよく採れる)。1965年に、それまでのイギリスの国旗(ユニオンフラッグ)を配したものから、このメープルリーフ旗に変更された。 |
国歌 |
カナダ国歌は"O Canada"。1980年7月1日、Canada Day に際して正式に国歌として制定された。もともとは、1880年に作られたケベック州建国記念日のための愛国歌で、フランス語だった(当時、ケベック州は"独立"していたつもりなのかも・・・)。英語訳ができたのは1906年。4番まであるが、一番だけ紹介しよう。 O Canada! Our home and native land!True patriot love in all thy sons command. With glowing hearts we see thee rise, The True North strong and free! From far and wide, O Canada, We stand on guard for thee. God keep our land glorious and free! O Canada, we stand on guard for thee. O Canada, we stand on guard for thee. |
(日本語訳)
おお カナダ。 我らの輝かしき心は、 神よ、この地に栄光と自由を与え続けよ。 |
面積 | 総面積9,970,610km2 | 日本の総面積の約27倍,、ロシアに次いで世界で2番目に広い。 |
人口 | 約3,200万人(2005年 カナダ統計庁) | 日本の人口の約4分の1。 |
州と準州 |
10州と3準州で構成(カッコ内は州都)(西から) ブリティッシュ・コロンビア州 (ビクトリア) アルバータ州 (エドモントン) サスカチュワン州 (リジャイナ) マニトバ州 (ウィニペグ) オンタリオ州 (トロント) ケベック州 (ケベック・シティ) ニューブランズウィック州 (フレデリクトン) プリンス・エドワード・アイランド州 (シャーロットタウン) ノバスコシア州 (ハリファックス) ニューファンドランド・ラブラドール州 (セント・ジョンズ) ユーコン準州 (ホワイトホース) ノースウエスト準州 (イエローナイフ) ヌナブト準州 (イカルイト) |
☆プリンスエドワードアイランドは5,660 km2 の面積に14万人足らずの人口しかない。オンタリオ州(1,076,395 km2、1,300万人)と比較しても、それぞれ
0.5%、1% という小さな州。 ☆アルバータ、サスカチュワン、マニトバの3州は穀物を初めとする大農業地帯で「穀倉三州」と呼ばれる。 ☆フランス語を話すのは、ケベックの大部分とニューブランズウィックの一部。それにオンタリオとマニトバの一部の町。 ☆ヌナブト準州は1993年にカナダで初めて生まれたイヌイット(原住民)の自治準州。 ☆3準州は面積では日本の約10倍もあるが、人口は全部で約10万人しかない。 |
人種 | イギリス系、フランス系、スコットランド系、アイルランド系、ドイツ系、イタリア系、中国系、ウクライナ系、北米インディアン系など。人口の約20%はカナダ以外の国で生まれた移民一世(厳密には19.8%、2006年調べ)。 | 特に都市部では外国生まれが多い。バンクーバーでも、カナダ生まれを探すのが大変だったりすることがある。ともかく、毎年、総人口の1%(約30万人)前後が外国から移民してくるのだ。 バンクーバー都市圏の人種構成については Demographics of Vancouver にある表 Tables of ethnicities を参照。 |
時間帯 | 右の6つの時間帯。たとえば、バンクーバーでは3月第二土曜日~11月第一土曜日の間は PDT を使い、残る冬の数カ月間は PST を使う。 <参考サイト> Canada Time Zone Map 時間帯ごとの現在時 これにより、カナダの時間帯ごとの現在地を知ることができる。 6時間帯の最西端にある バンクーバーが正午のときに、最東端のニューファンドランドは午後4時半。 |
PST = Pacific Standard Time 太平洋標準時 PDT = Pacific Daylight Time 太平洋夏時間 MST = Mountain Standard Time 山岳部標準時 MDT = Mountain Daylight Time 山岳部夏時間 CST = Central Standard Time 中部標準時 CDT = Central Daylight Time 中部夏時間 EST = Eastern Standard Time 東部標準時 EDT = Eastern Daylight Time 東部夏時間 AST = Atlantic Standard Time 大西洋標準時 ADT = Atlantic Daylight Time 大西洋夏時間 NST = Newfoundland Standard Time ニューファンドランド標準時 NDT = Newfoundland Daylight Time ニューファンドランド夏時間 |
首都 | オタワ(オンタリオ州) | 英語圏とフランス語圏の境目が選ばれたらしい |
主要都市 |
トロント (530万人、オンタリオ州) モントリオール (360万人、ケベック州) バンクーバー (220万人、ブリティッシュコロンビア州) オタワ (115万人、オンタリオ州) カルガリー (104万人、アルバータ州) エドモントン (100万人、アルバータ州) ケベックシティー (71万人、ケベック州) ハミルトン (71万人、オンタリオ州) ウィニペグ (70万人、マニトバ州) |
これらは周辺の都市を含めた都市圏としての人口。たとえば、バンクーバー市自体は約60万人しかいない。 |
最高峰 | マウント・ローガン(ユーコン準州) 標高 5,959 m | |
最長河川 | 最長の川は、北極海にそそぐ 4,241km のマッケンジー川 | バンクーバーを流れるフレーザー川は、1,368 km |
湖の数 | 3平方km以上の面積がある湖は31,752で、小さいのも含めると300万以上もあると言われる。 | 国土面積の約9%を水面(湖や河川など)が占める。 |
歴史 |
先住民の到来 カナダ先住民のインディアンは3万~2万年前に、陸続きだったベーリング海峡(*)をわたってシベリアからアラスカにやってきた。約1万年前から(**)氷河期の氷が溶け始めて南下できるようになった。そして、北米大陸から南米大陸にまで広がってアメリカインディアンやラテンアメリカのインディオになった(***)。 もう一つの先住民エスキモー(****)もシベリアからやってきたが、彼らは氷河期の氷が溶け始めてから船でカナダの北部海岸地域に住みついたと考えられている。そのためか、エスキモーはインディアンとは顔つきがかなり違い、インディアンよりも日本人に似ている。 |
(*)氷河期で地球上の海面が下がっていたために、ベーリング海峡は陸続きだった。そのころカナダは氷の下だったが、なぜかアラスカは氷に覆われなかったらしい(雨量が少なかったのか?)。 (**)メキシコや南米には2万年くらい前のものと思われる遺跡が発見されていて、つじつまが合わない・・・。ひょっとすると海沿いに南下したのだろうか? (***)インディオの祖先はインディアンの祖先とは異なるという説もある。彼らは太平洋を渡ってやってきたというのだ。しかし、インディアンとよく似た顔つきのインディオの写真を見ると、そうした説の正当性を疑いたくなる。 (****)「エスキモー」はカナダでは蔑称とされていて、代わりに「イヌイット」が使われるが、カナダ以外ではそうでもないようだ。「イヌイット」は先住民の中の一部種族の名称なので、むしろ"差別的"と指摘する声もある。インディアンもエスキモーもモンゴロイドなので蒙古斑がある。 |
最初のヨーロッパ人 ヨーロッパ人が最初に足跡を残したのは、西暦1000年(*)頃にアイスランドからやってきたレイフ・エリクソン(**)らのバイキングだ。彼らはニューファンドランド島の北端に到達し、そこに定住したことが分かっている(***)。しかし、原住民とうまく行かなかったこともあって、その後、撤退した。 |
(*)コロンブスの「新大陸発見」(1492年)よりも約500年も遡る。 (**)レイフ・エリクソンはアイスランド生まれだが、カナダへやってくる前にはグリーンランドに住んでいたようだ。だとすると、北米大陸はヨーロッパ大陸よりも近いから、それほどの"大航海"でもなかったのかもしれない。 (***)ランス・オー・メドー村という場所がその定住地。定住遺跡は世界遺産に指定されている。 ちなみに、氷で覆われた島が「グリーンランド」(緑の島)と名づけられたのには面白い理由がある。それ以前にヨーロッパ人に発見されたアイスランドが、いかにも寒そうな名前で、入植希望者があまり現れなかった。そのため、グリーンランドには入植希望者が多数現れることを願って「グリーン」と名付けられたということだ。なんだか詐欺のような話だ・・・(^_^;。 |
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新大陸発見時代 ヨーロッパ史上、最初にカナダを「発見」したのはイギリスから派遣されたイタリア人探検家ジョン・カボットであった。彼は、1497年にノバスコシア州ケープ・ブレトン島(*)に到達し、さらにニューファンドランド島やラブラドル半島も発見している。また、1534年にはフランス人のジャック・カルティエがプリンス・エドワード島からセントローレンス河口を発見した。 |
(*)ケープ・ブレトン島は、ノバスコシア州の北部の島。この地図のピンク色の部分がノバスコシア州。北部の約4分の一は地続きのように見えるが、よく見ると海峡があって切れているのが分かる。この切れた部分がケープ・ブレトン島。 なお、ノバスコシア Nova Scotia とは New Scotland (新スコットランド)の意味。ケープ・ブレトン島のすぐ左には、小さなプリンスエドワード島がある。 |
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本格的な殖民の開始 1600年代になると、フランス人がセントローレンス川流域に入植し始め、本格的な殖民が始まった(*)。1763年にはイギリス領となり、フランス系住民と先住民がイギリス帝国の支配に組み込まれた。1867年にイギリス連邦内の自治領となり、1931年に事実上独立国家となった。 |
(*)カナダの歴史で欠かせないのはハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC社)の存在だ。1670年創立のこの会社は、ビーバーなどの動物を捕って毛皮を作る会社だった。カナダ東部のハドソン湾に基地を置き、動物を求めて広大なカナダ大陸を開拓し西海岸までたどり着いている。 カナダには、ビクトリア、エドモントン、ウィニペグなど、同社の砦から発展した都市が多数ある。現在でもカナダ有数の会社で、デパート「ベイ」など小売業界にたくさんの会社を持っている。現存する企業としては北米最古。 |
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雑学 | 国の象徴 | カエデの葉 Maple Leaf |
代表的な木 (正式な「国樹」とは制定されていないように思う) | カエデ Maple、特にサトウカエデ Sugar Maple | |
国鳥 | 決まっていない。2016年11月、野鳥の専門家グループが国民の意見を取り入れて検討した結果、ほぼカナダ全域で見られるGray Jay カナダカケスが最もふさわしいとして、国に推奨した。 | |
国蝶 | オオカバマダラ Monarch Butterfly | |