バンクーバーのぶつくさ男        The Mumbling Man in Vancouver
 HOME      タッチタイピング普及委員会    2020.08.25   
コンピュータ時代の「読み書きそろばん」タッチタイピングを習得しよう!
日本のコンピュータ教育のお粗末さに辟易して、私はついに「タッチタイピング普及委員会」を立ち上げることにした・・・(^^)。日本の子供たちが、タッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得してコンピュータに強くなってもらいたいからだ。なお、今のところ「タッチタイピング普及委員会」の会員は私一人で会長も私だ・・・(^^;)。

タッチタイピングは、一日30分練習すれば子供だったら1週間〜10日でマスターできる。大人でも自己流の癖がついていなければ2〜3週間で習得できる。自己流が身についている人は、1〜2ヶ月くらいかかるかもしれない。タッチタイピングが身についたら、キーボードを見ずに打てるようになる。

やることは簡単だ。以下、Fujitsu のタッチタイピング練習サイトを使って説明する。なお、日本のキーボードではローマ字入力とかな文字入力が可能だが、ローマ字入力だけを習得することを強くすすめる。なぜなら、かな文字入力を習得するとアルファベットが頭に入らないから、英文が打てなくなってしまう。
 
  タッチタイピングの習得
日本のコンピュータ教育のお粗末さ
私がタッチタイピングを練習したタイプライターはこんな感じだった・・・(^^;)。


タッチタイピングの習得

@ ホームポジションを覚える:

まず、右手の人差し指を「J」の上に、左手の人差し指を「F」の上に軽く置く。そして、下図のように、中指以下の3本指を横に並べる。両手の親指は Space(bar) スペースバー(手前の大きなキー)に置く。
  

これがホームポジションだ。常に指をこの位置において、上段や下段のキーに移動してキーを打ったら戻ってくる。なお、J と F のキーにはホームポジションを示す小さなボッチ(ひっかかり)がある。

ここまでの習得度:30%

A キーの配置を覚える:

ローマ字タイピング 基本コース(初心者向け)」の「キー配置を覚えよう!」で、「中段」、「上段」、「下段」を練習する。手順を「中段」で説明すると次のようになる。

中段」をクリック ⇒ 「スタート」をクリック ⇒ ホームポジションに指を置く ⇒ (どちらかの)親指で Space(bar) を叩いて練習開始する ⇒ 画面に従って練習する

キーごとに示される指は必ず正しく使う。同じ動作を何度も何度も練習してスピードが上がるようにする。

「中段」がかなり上達したら、今度は「上段」だ。
「上段」もかなり上達したら、今度は「下段」だ。

ここまでの習得度:50%

B 指の動かし方を覚える:

キー配置を覚えたら、「ローマ字タイピング 基本コース(初心者向け)」で「各指の動かし方を覚えよう!」に進み、「右手人差し指」から「左手小指」までの8セクションを一つ一つ練習する。

  「右手人差し指
  「右手中指
  「右手薬指
  「右手小指

  「左手人差し指
  「左手中指
  「左手薬指
  「左手小指


ここでも、同じ動作を何度も何度も練習して、スピードが上がるようにする。そして、キーボードを見ないで打てるようになるのがいい。

ここまでの習得度:75%

C 単語と短文の練習をする:

指の動かし方を覚えたら、「ローマ字タイピング 実力アップコース(初心者〜中級者向け)」で「単語」「短文」、「長文」に進む。ここでも、同じ動作を何度も何度も練習して、スピードが上がるようにする。ここでも、キーボードを見ないで打てるようにしよう。

ここまでの習得度:95% 
(ここまでが一番大事だから、あわてないで何度も何度も練習することが大事)

D 数字の打ち方を練習する:

ローマ字タイピング 実力アップコース(初心者〜中級者向け)」で、さらに「数字(テンキー用)」と「数字(ノートPC用)」を練習する。

ここまでやったら万全だ。ただし、テンキーはキーの数が少ないから、練習しなくても簡単に習得できる。それには、テンキーのホームポジションである 4、5、6に3本指(人差し指、中指、薬指)を置く形を覚えることだ。指の使い方は以下の通り。

  4 5 6 ⇒ 3本指(人差し指、中指、薬指) 7 8 9と 1 2 3は3本指を上下させるだけ。
  0 ⇒ 親指
  +、ー、Enter ⇒ (右端に縦に並んでいれば)小指
  小数点 ⇒ 3の下にあれば薬指。
  コンピュータによってはキーの場所が違う場合があるが、その時は、自分で工夫してどの指を使うか決めればいい。

以上をマスターしたら、テンキーに目を置かずに打ち込める。


ここまでの習得度:100% 

日本のコンピュータ教育のお粗末さ
 
<なぜ日本の人たちがコンピュータに弱いか>

日本では毎年、春になると「新入社員がコンピュータを使えない」というニュースが流れる。若者たちのほとんどがコンピュータを持っていないから、就職してもキーボードすら打てないのだ。一方、カナダでは、職種に関わらずたくさんの人たちがタッチタイピングを駆使してコンピュータを使っている。カナダで子供たちを学校に行かせた日本人の友だちに聞くと、学校ではコンピュータ教育が当然のこととして行われていると聞く。なぜカナダと日本でこれ程違うのか考えてみたら、いくつかの要因に思い当たった。
@ タイピング文化の違い:アルファベット圏の国では、昔からタイプライター(キーボード)は使えて当たり前の道具だった。それに対し、日本ではキーボードが「輸入文化」なのでタイピングが「当たり前」になっていない。そのため、カナダでは子供たちが当然のテクニックとして練習するタイピングを、日本ではそうとう強くすすめないと子供たちはやらない。

A 過度なスマホ依存:日本では誰もがスマホを使いこなす。生活する上でスマホは実に便利で、そのこと自体はいい。しかし、困るのは「スマホが使えればコンピュータは不要」という考えが日本に蔓延していることだ。そのために、コンピュータ教育を本気ですすめようとする空気が生まれない。ある時、日本の人が言った。「スマホが便利だから、その内にコンピュータはなくなるよね」。「冗談でしょ!」と私は思った。コンピュータでスマホは作れるが(プログラミングの話)、スマホでコンピュータを作ることはできないのだ。要するに、コンピュータは仕事道具になるが、スマホは生活道具でしかないということ。
<”実技ゼロ”の日本のコンピュータ教育>

数年前、文科省が小学校からプログラミング教育することを教育方針に掲げた。私は「え?そこまで行ったの?すごい!」と思った。ところが、すぐに校長先生たちが悲鳴を上げた。「コンピュータを教えられる先生がいないのに、プログラミング教育なんて無理だ」というのだ。「ありゃあ、やっぱりね」と私は思った。いつだったか、高校の先生をやっている親戚の若者たちが、口を揃えて「学校でコンピュータ教育の理屈は教えるが、実践教育は何もやっていない」と言っていた。1990年代なかばにパソコンが普及し始めた頃、「学校でコンピュータを教える先生がいない」と日本中大騒ぎしたが、今でも同じ状況なのだ。四半世紀たってもまったく進歩しない日本。

<簡単に習得できるタッチタイピングを使わない手はない>

私は子供の頃、かなりの期間そろばん塾に通った。どれほど通ったかは覚えていないが、少なくとも1年は通ったと思う。それに比べたら、長くても数週間で習得できるタッチタイピングをすべての子供たちに教えない手はない。そして、誰もがコンピュータを自在に操作できるようになったら、それこそ国力が上がるというものだ。そういえば、あれだけ頑張ったそろばんは大人になってからまったく使っていない。「そろばんをすると頭が良くなる」といった声もあるが、私は懐疑的だ。そろばんを使う国の人たちが使わない国の人たちよりも頭がいい、なんていう科学的データは見たこともないから。頭を良くする・・・特に数学に強くなる・・・ためだったら、むしろインド式の「二桁の九九」を習得したほうが遥かに役に立つと思う。コンピュータ業界でインド人が活躍しているのを見れば、「二桁の九九」が彼らの武器になっているのは間違いないのだから。

<インターネットは情報の宝庫>

私はコンピュータをやっていてよかったなとつくづく思っている。一番の恩恵は、インターネットで世界中の情報をいくらでも集められることだ。それについては、英語を少しかじっていたことも幸いした。ともかく、これからの日本の子供たちにも、コンピュータ(と英語)を使いこなして世界の情報を集められるようになってほしいと思っている。それにはまずタッチタイピングだ。タッチタイピングはコンピュータ時代の「読み書きそろばん」なのだから・・・。